中山競馬場の距離別データ
2020/12/10
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中山競馬場の距離と脚質データ
年末の有馬記念はビッグレースも競馬サークルの中では評価が低いコースということもあり重要視されないことも多くなってきている。
芝のデキが良くなった今では売りであるゴール前の急坂も意識するほどの難所ではなくなっており没個性なコースの印象を強めてしまったこともありそうだ。
ただ、色々なコースが混在する中央競馬のコース・距離体系の異端は必要であり直線を長くするなどの改修が行われる可能性は低いだろう。
芝1200m
おむすび型をしている中山競馬場の頂上からスタートするコース形態。
3コーナーまで275mだが、3コーナーの角度は緩く進路を35度かたむいているだけでコーナーとは呼べない。
そういった点から言えば実質的なコーナーである4コーナーまでの距離は500m近くあると考えることもできる。
スタートから約400mの間で4mの下り坂になっているため、スタートからテン最初の200mのスピードが速くなり易く、勢いに乗ったまま3~4コーナーを回り最後の直線を駆け上がることになる。
そのため、逃げ切るにはスタート3ハロンが緩むか、圧倒的な実力を持っている馬でないと坂で息切れを起こすケースが少なくない。
ただし、スタートから速くなりやすいとは言っても、よほど前崩れにならない限り追い込み一手では馬券圏内に絡むのは容易ではない。
芝1200mの理想的な勝ち方は、逃げを射程圏内のとらえつつの好位からの抜け出しが最善手と言える。もし馬券の軸馬にするなら好位で競馬できる馬に注目することで馬券的中を高めることができるはずだ。
スタートしてすぐにコーナーを回るため、常に外を回される外枠が不利になりやすいのは覚えておきたい。特にハナを切りたい馬は、頭数が増えるほど外に振られ距離ロスを強いられることになるため要注意。
有利な枠 | 有利な脚質 | 狙いのポイント | |||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||
内中枠 | △ | ◎ | ▲ | △ | 内枠、好位 |
芝1600m
1コーナー外側のポケットからのスタートする。2コーナーまでの直線距離は240mと短くスタートしてすぐにコーナーがあり、外枠が非常に不利となっている。
こういった点から距離ロスなく競馬ができる内枠が有利となっている。好走する脚質として最後の直線入口で前の馬を射程圏内にとらえる好位型が良く、かなり器用さが求められると考えたい。
さらに、直線の最後に待ち受ける急坂を一気にかけ上がることから末脚の爆発力が問われるが、大外一気は相変わらず厳しいものとなっている。
スタートダッシュが良い馬が有利な展開に持ち込みやすく、開幕週ほど逃げ・先行が目立ちで、前残りの競馬となるためスタートが良いことはアドバンテージになる。
有利な枠 | 有利な脚質 | 狙いのポイント | |||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||
内中枠 | △ | ◎ | ▲ | △ | 内枠、好位 |
芝1800m
スタートは正面スタンド前からでゲートが開いてすぐに急坂が待ち構えている。上り坂からのスタートで1コーナーまで200mほどしかないためスタートからテンが速くなることは少ない。
スタートから無理できないため出脚の遅い馬にとっては鬼門と言えるコースだろう。開幕週ならスタートダッシュの良い馬を狙っていくのがベター。
逃げ・先行馬が内枠を引いた場合はすんなり行けるが、外枠だと距離ロスが大きくなるため負担が大きくなりやすい。1~2コーナーでの攻防でレースの流れが決まる傾向が強くペースが緩めば前が残り速くなれば差しが決まる。
4つコーナーを回ることからローカルが得意な馬の台頭を目立っている。夏競馬の北海道戦に実績がある馬などは警戒しておくといいだろう。
有利な枠 | 有利な脚質 | 狙いのポイント | |||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||
内中枠 | ▲ | ◎ | ▲ | △ | ローカル適正 |
芝2000m
スタートは直線入り口でゴール前の坂を2度も越えることになるためスタミナが要求される。
スタートから1コーナーまでの直線距離は400mだが、途中200mほどいくと5m上る急坂にさしかかり自然と減速するため案外ペースは上がらない。
2000mでは枠順の有利・不利はほとんどないが、多頭数のケースでは大外枠は若干不利となる。内の馬場状態がよく、常に外を回される展開だと厳しさが増してくるだろう。
こうなると、内枠の逃げ・先行馬が穴をあけやすい。ただ、高速コーナーの3~4コーナーで馬群が外に膨らみ易いため、スパッと馬群を割って差してこれる器用な差し馬にもチャンスはある。
基本的には、内枠の先行馬が有利であり、追い込み一手は非常に厳しいと考えておきたい。
有利な枠 | 有利な脚質 | 狙いのポイント | |||
逃 | 先 | 差 | 追 | ||
内寄り | △ | ◎ | ▲ | × | 先行、差し |
芝2200m
スタンド前にある直線の端を拡張したポケットからのスタート。最初のコーナーまでの攻防は2000mの距離と似たような同じ経過をたどることを念頭に入れておくと分かりやすい。
2000mと違うのは、外回りの1~2コーナーは中間に直線約160mを挟む角コーナーとなり、その中間の直線はかなり急な下り、2コーナーを過ぎると緩やかな下りになる点。
直線にさしかかる3~4コーナーの中間までは、500mの非常に緩やかなカーブを通ることになりスピードに乗りやすいため、スローペースの上がり勝負にはなりにくく、一気にペースが上がってなだれ込むロングスパートの競馬になりやすい。
ただ、一旦スローペースになると極端な上がり勝負になるため瞬発力のある馬が台頭してくる。こういった点からレース展開によって狙いが変わってくる条件と言えるだろう。
有利な枠 | 有利な脚質 | 狙いのポイント | |||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||
内中枠 | △ | ◎ | ▲ | △ | 距離実績 |
芝2500m
緩い下り傾斜の外回り3コーナー手前からスタートする。最初の4コーナーまでの直線距離は192mと短いため、逃げ争いが起きてると加速したままコーナーを突入することになる。
たまにコーナーで大きくふくれる馬がいるのはこのためだ。コーナーを回ってからはの道中はゆっくりとしたペースを刻みだす。
勝負どころの4コーナーは、コーナーリングで大きく振られるのを避けようするため後続馬がマクリ気味に差を詰めてくることが多い。
そのため、残り1000mあたりから徐々にペースアップしロングスパートの競馬になることもある。そのためスタミナが問われる展開になることも珍しくない。
追い込み一手の競馬では厳しく、4コーナーで好位置にいないと勝つのが難しいため、馬の適正と騎手の判断力が問われることになる。
有利な枠 | 有利な脚質 | 狙いのポイント | |||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||
内中枠 | △ | ◎ | ○ | × | コース適正、騎手 |
芝3600m
現在、JRAで施行されている最長距離のコース。スタート地点は正面スタンド前直線の真ん中よりやや右。
芝1800mと芝2000mのスタート地点の中間あたりで、スタート後まもなく急坂を駆け上がる。1~2コーナーの中間までは上り坂。
その後は内回りコースに入り、向正面の直線は平坦。3~4コーナーはスパイラルカーブで、緩い下り坂になっている。
内回りコースを2周して、最後の直線へ。最後の直線距離は310mと、中央4場の中では最短。
仮柵によるコース設定はA、B、Cの3パターンとあるが、年末に行われるG2のマラソンレース・ステイヤーズSでのみ使用。近年の同レースはAコースで行われている。
ダ1200m
芝コースからのスタートの上、緩やかな下り坂を駆け下りて3コーナーに飛び込むためテンが非常に速い。砂をかぶらずに先行できるため、枠順は芝を長く走れる外枠ほど有利な傾向が見られる。
ただ、ダートの上り坂は直線入り口から始まるだらだら傾斜であり、しかもゴール前直線も300m程度と短く、典型的な前崩れはあまり期待できない。
そのため、先行から押し切れるタイプに圧倒的有利な結果が出ている。逆に内枠で先行できずに中団以降に置かれてしまうようだと、外から被される形になり包まれて身動きが取れなくなることがある。
有利な枠 | 有利な脚質 | 狙いのポイント | |||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||
外枠 | △ | ◎ | △ | × | 外枠の先行馬 |
ダ1800m
スタートから最初のコーナーまで距離があるため枠順の有利・不利は少ない。
中山のダートコースは、起伏に富んだコースで、JRAのダート中距離では最も時計が掛かる。最後に急坂があり、ラスト1ハロンは時計が掛かるが、差し馬同士の決着はあまり見られない。
差し馬は4コーナーで素早く先頭に追いつけるかが馬券のポイントだろう。地方など小回りのローカル競馬で実績ある馬やしぶとい逃げ馬などは常に注目しておきたい。
有利な枠 | 有利な脚質 | 狙いのポイント | |||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||
内枠 | △ | ◎ | ▲ | △ | ローカル経験 |
ダ2400m
スタート地点は向正面直線の中間地点あたり。そこからコース全体を約1周半回る。最初の3コーナーまでの距離は約209m。
最後の直線距離は308mで、中央4場の中では最短。フルゲートは16頭。コース全体の高低差は4.4mと、JRA全10場のダートコースの中で最も高低差があるタフなコースだ。
ダ2500m
スタート地点は向正面直線の左。2コーナーを出てすぐのあたり。そこからコース全体を約1周半回る。
最初の3コーナーまでの距離は約309m。最後の直線距離は308mで、中央4場の中では最短。フルゲートは16頭。
このコースも2400m同様に高低差があるためタフさが問われると言えよう。