競馬に八百長はなくても「関係者への忖度」はありえる
競馬には、レースとして成立させるために「暗黙の了解」が存在しています。
一定のルールに沿って競走が行われているという事実を意外と認識していない人は多いのではないでしょうか。
たとえば、個人的な事情で逃げ馬に絡み、ペースを引き上げさせてレースを壊すことは難しいことではありません。
こうした行為は、意図せず起こることもあります。よくあるのは折り合いを欠いた馬が暴走してしまうパターン。
おかしな所でペースアップしてスタミナを使ってしまうと、信じられないほど惨敗することがあります。
マラソンでも一定ペースで走っている内はラクですが、近くに競う相手がいるとペースのアップダウンで疲労が早まってしまう。
このような破綻が起こると実力を発揮するための前提条件が崩れることで配当が荒れてしまい馬券を当てる難易度は爆上がりします。
この点から馬券をよく買う人ほど関係者を批判することには気を遣わないと無用なリスクを背負うことになります。
なんだかやる気ない後方ポツン程度ならマシですが、ストレス発散のためにレースを壊されるリスクを認識しておくべきでしょう。
2021年のオークスは不自然さにあふれていた
2021年のオークスでは、マイネルの冠名で知られるラフィアンのユーバーレーベンが勝利しました。
ラフィアン創業者は2021年に亡くなったあと、このオークスで初めてのクラシック制覇となったのです。
これだけなら、まったくあり得ない話だと思えるのですが、その背景を探ると「関係者の忖度」が見えてきました。
一番わかりやすいのは、日本ダービーに出走したサトノレイナスでしょう。
G1レース2着続きで一番適性があったオークスをなぜか回避。オークス未勝利の馬主がよく承諾したなと勘繰るのは当然でしょう。
厩舎も有力馬の2頭だしで勝つ可能性を上げられたのに、わざわざ牡馬と走る道を選ぶのは不自然さしかない。
そして、さらに可笑しいと感じるのがオークスの走破タイム。相当な高速馬場でしたが全体だけでなく3ハロンもピリっとしない。
日本ダービーに出走したサトノレイナスは2秒近くも速いタイムで走っているというコントラストの違いも鮮明です。
ダービーウィークは、Cコースに変わった点を考慮しても差が大きすぎる。狭い世界なので「暗黙の了解」が働いた可能性はあります。
日本ダービーのエフフォーリアも出走週で緩めの仕上げに切り替えられており、同じファーム内での調整も普通に行われていました。
いまの競馬は、前提条件がある限り大きな差はないため、当日の変化をいかに読み取るかは重要なシーンになっていくと感じています。