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パドックの見方

『パドックって本当に役に立つの?』

と思われる方が多いかと思いますが、時間を割いて研究しても確実に分かることは少ないでしょう。 あくまでパドックというものは、これから競馬に参加する馬の状態に大きな問題がないか確かめる価値以上のものはないと考えています。

私が働いていた牧場でも動きがいいと送り出した馬が、実際に追い切りをかけたら動きが思わしくないと送り返されるという事はよくあることなのです。 身近に接している調教師や厩務員でさえ調教時計などから恐らく調子が良いだろうという判断で出走を決めているに過ぎません。 競馬関係者でさえハッキリ分からないものを、パドックの短い時間で全てを把握できないのは当然のことだと思います。

では、全く見なくてもいいのかと言われると、そうとも言い切れないのがパドックの奥深さです。

昔、圧倒的一番人気に推された馬が、パドック周回中にいきなり寝転んだ事がありました。 背中が痒かったのか理由はハッキリしてませんが、集中力が欠けていることは明らかで案の定レースで見所なく沈んでしまいました。 そういう事例は稀ですが、万全を期すならパドックを流し見するだけでも損はないので見ておくべきというのが私の考えです。

では、私なりのパドックでの見るポイントについて解説したいと思います。

1.歩様 重要性:△

よく、パドック解説者が歩様について解説しています。 20年前ぐらいなら必要性はあったと思いますが、管理体制が整い技術が向上した今は重視しなくても良いポイントだと思います。 コズミ(筋肉痛)のある馬でも走る時は走るので判断は簡単でなく、よほど酷くない限りは決め付けない方がいいと思います。

2.毛づや 重要性:△

これもよく言われますが、歩様と同じ理由で管理の行き届いた今では重要性は低いポイントです。 光の加減、毛色により見え方が変わってしまい判断も楽ではありません。 また、冬毛が生えていれば自ずと毛づやは悪くなります。 冬毛はない方がいいですが、あっても支障ない場合もあり判断は簡単にはいきません。

3.体つき 重要性:○

これは見方そのものより、考え方が重要と言えるポイントかも知れません。 馬体そのものを見ての判断というのは簡単にはいかず確実性もないので省きます。 馬券を買う側にとって一番厄介なのは急な馬体の増減だと思います。 大幅に増えたにしろ減ったにしろ『負荷の掛かる調教をこなした馬』ならそのレースに限れば問題はないと私は考えています。 ただ、レース後に残るダメージが大きい場合があり、次走のレースでは注意が必要になります。

確実にマイナスなのは馬なりのみなどの軽い調教での大幅な増減でしょう。 増えたのなら調教量が足りていないということになり、減ったのなら体調の悪さを疑うべきです。

4.落ち着き 重要性:◎

首を上下に振り、尋常じゃない汗をかいているような馬はイレ込んでいると見ていいでしょう。 レース前に大幅に体力を消耗してしまうイレ込みは確実にマイナスポイントです。 たまにイレ込んでいても勝つ馬がいますが、そういう馬は元々の能力が高く抜けた実力を持っていたのだと私は判断します。

イレ込みを確実に確認できるポイントがあります。それは目です。

『目は口ほどに物を言う』と言いますが、これは馬にもあてはまるわけです。 人間も馬もパニック状態になると瞳孔が開き黒目がちになります。 我を失った人間は簡単に暴動するように、馬もレースでの指示に従うことなく暴走する危険が高まります。 距離が長くなるにつれレースでの折り合いが重要になるので落ち着きの重要性も比例していきます。

5.縦の比較 重要性:?

他馬の比較を横の比較、その馬自身の前走と比べるのが縦の比較です。 私も一時期やっていましたが、確かに馬に対する造詣も深まり役に立つこともありました。 ただ、時間が掛かる上に手間に対する費用対効果は大して高くないと思います。 なくてもプラス収支を計上できるのならやる必要もないと思うので各々で判断してもらえればと思います。

6.細かく見過ぎない 重要性:◎

競馬予想でもそうですが、知識が付くにつれ余計なことを考えるとドツボに嵌ったりします。 ソエが出ているだの、蹄に薬品を塗っているだの気にしだしたらキリがありません。 確実にマイナスになるのなら判断する価値はありますが、確実でないなら無視することも時には必要なのです。

パドックを見る上で一番重要なのは、『分からないことを判断しない』を徹底することです。 競馬で完璧に分かることなんて少ないのですから分からなくても何ら恥ずかしいことではないのです。

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